プーアル茶の領域は広くて深く、独自のスタイルを作り上げています。雲南が主要生産地で、品種は主に野生喬木型の茶樹です。
製造プロセスによって生茶と熟茶とに分けられています。生茶は直接「毛青茶」を蒸し、押出で成型します。熟茶はその前に「渥堆(発酵室に水分を含ませた茶葉を積み上げ、一定の温度と湿度を保ち微生物(主に麹菌)によって発酵させる作業)」をします。 この「渥堆」の作業により2ヶ月ほどで甘く飲みやすくなります。それに対して生茶は長期間の貯蔵によって「熟成」させて後に飲み頃となります。
プーアル茶は外形から 散茶(茶葉を1葉ずつばらばらに製する茶)と緊壓茶(茶葉を蒸して押し固めて製する)の二種類に分けられます。また、緊壓茶は鋳型の形状により沱茶・磚茶・茶餅などと形が変わります。
プーアル茶の味に関して最も重要なことは、空気と接触させてから「後醗酵作用」によって変化を発生させることで、この過程により外形も醗酵の速さも影響を受けます。当然、価格にも影響します。
一般に、茶葉は乾燥の程度が高いため、湿気にはとても敏感となります。さらに、花の香りがあるお茶やさっぱりとしたお茶では移り香に注意しなければならず、保存には心をかけなければなりません。これに対して、プーアル茶では逆に環境を利用でき、独特な口当たりや芳香を創造していくことができます。貯蔵方法は、「乾倉(風通しがある倉庫での乾燥した状態で貯蔵)」と 「湿倉(風通しのない倉庫での加湿した状態での貯蔵」とに分けられます。
「湿倉」ではお茶の転化が早いのに対し、「乾倉」では転化にもっと時間がかかりますが、「乾倉」の方が風味がよく、価格も高くなります。、一般に「乾倉」で貯蔵したプーアル茶には茶紅素(テアルビジン)、いわゆる「反紅(紅返し)」がありますが、この茶紅素のあるプーアル茶を生産するには、産地によって少なくとも10年から30年の時間が必要とされます。
プーアル茶の生産地は主に雲南地区にあり、ベトナムの北部、タイ、ミャンマー、インドなども一部生産しています。ワインと同様に、産地の気候や環境などもプーアルの味に反映されます。
プーアル茶の世界は独特で、その変化は複雑です。六大茶山の古樹のいずれを元とするかでも異なりますし、生茶と熟茶の区別もあり、さらに気候、環境、製造プロセスの違いによって、それぞれ口当たりや特色が変わってきます。唯一変わらないのは、人々が“美味しい”ものを求める心です。一度明山茶集へお越しください。繁雑な条件をものともせず、お口に合う逸品を見つけるお手伝いをさせていただきます。